算出方法と根拠

この診断が何をどう計算しているかを、全部公開します。数字の出どころが分からない試算は社内の説明に使えないためです。

1. 月間工数・年間工数

月間工数(時間)= 月の発生回数 × 1回の所要時間(分) × 関わる人数 ÷ 60
年間工数 = 月間工数 × 12

関わる人数は「作業する人+確認する人」です。確認工程も人の時間を使うため、削減対象に含めます。 全員を0人と入力した場合も、工数が消えないよう最低1人として計算します。

2. 削減係数の帯

業務の性質で、係数の上限・下限をこう置いています。

業務の性質判定条件
転記・整形・確認が中心50%70%例外が5種類以下で、誤りの損失が「大きい」ではない場合
例外が多い・判断を伴う20%40%例外が6種類以上、または誤りの損失が「大きい」場合

この帯は市場統計ではありません。当社が受託の実務範囲として保守側に置いた設定値です。判断を伴う業務で40%を上限にしているのは、判断の部分を人が持ち続ける前提で設計するためです。

3. 帯の中での増減

帯の中央値を出発点に、回答内容で増減させます。増減の内訳は結果ページに必ず全部表示します。

条件増減理由
入力が3種類以上−5取込の作り込みが増え、自動化できない前処理が残る
出力が3種類以上−3整形の分岐が増える
外部システムへの書き込みを自動化したい−5送信・更新の前に人の承認を必ず残すため、その工数は減らない
機密・禁止区分のデータを含む−5匿名化・権限分離・ログ記録の手間が乗る
確認工程がある(転記・整形中心の場合)+3確認そのものを下書き化でき、追加の削減余地がある
例外が1種類以下+3手順を固定でき、分岐の作り込みが不要

増減後の代表値は必ず帯の中へ丸めます。表示する幅は代表値の前後8ポイントで、これも帯の中へ丸めます。

4. データ区分(公開/社内/機密/禁止)

回答した「扱うデータ」をそのまま4区分に対応させ、区分ごとに必要な管理策を表示します。区分は、当社がAI導入案件で標準にしている管理策の起点です。

  • 公開:投入の制限は緩い。ただし出力の事実確認は別工程で行う。
  • 社内:商用契約(Team / Enterprise / API)で運用する。個人向けプランで恒常運用しない。
  • 機密:顧客ごとに組織・API鍵・リポジトリを分離し、入出力と承認者をログに残す。
  • 禁止:PoCに投入しない。匿名化・複製データに置き換える。高影響の自動決定を行わせない。

5. PoC適合判定の条件

不適合(着手しない)

  • 本番運用の責任者が決まっていない
  • 最初から送信・本番更新まで完全自動で行いたい
  • 禁止区分のデータ(要配慮個人情報、与信・医療・採用の判断材料など)が対象

条件付き(先に埋めるべき穴がある)

  • 運用責任者が未定
  • 4週間後の成功指標が未記入
  • 月間工数が5時間未満(4週間の導入プロジェクトに見合わない)
  • 例外が8種類以上(対象を絞る必要がある)
  • 機密区分のデータを含む(分類・分離・ログ保存の合意が前提)

この条件は、当社が「お引き受けしない案件」として先に決めているものです。受注したい気持ちで判定を甘くすると、 4週間後に誰も得をしない結果になるためです。

6. 裏づけがあること/無いこと

「AIで何割減ります」という数字は、出どころを書かなければ社内の説明に使えません。 この診断のどこに裏づけがあり、どこに無いかをそのまま書きます。

裏づけが無いこと(=当社の設定値)

  • 削減係数の帯(50%70% / 20%40%)は市場統計ではありません。 当社が受託の実務範囲として保守側に置いた設定値です。第三者による検証は受けていません。
  • 増減の条件(入力の種類数・外部書き込み・データ区分など)も、当社の案件経験にもとづく設定値です。
  • したがって、この診断の出力は見込みであり、実績の平均値ではありません

裏づけがあること(公的文書)

データ区分と、区分ごとの管理策は、次の公的文書の内容にもとづいて設計しています。

  • 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)
  • 経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン 第1.2版」(2026年3月31日)

リンク先URLは改訂で変わるため、文書名と日付のみ記載しています。いずれも各府省庁のサイトで公開されている文書です。

当社が実測している範囲

当社は、案件の要件整理を半自動化する社内ツールを自社運用しており、その精度を検証データで測定しています。 直近の測定結果は次のとおりです。

測定項目結果
母数12件
正解表の作成者実装者以外(第三者作成)
1案件あたりの処理時間2.3ミリ秒
不足項目の検出率85.7%(6/7)
過検出(拾いすぎ)31件
人間の承認へ回せた率33.3%(4/12)
手戻りが発生した件数41.7%(5/12)
この数値についての注記を省かずに書きます。
・母数は12件で、統計的な代表性を主張できる規模ではありません。
・表記ゆれの検出は、仕込んだ5件のうち1件しか検出できていません(偽陰性4件)。
・指示文の検出は、このデータに合わせて規則を追加したあとの数値であり、独立した測定ではありません。
・これは当社の社内ツールの精度であり、貴社の業務での削減率を約束するものではありません。 この診断が出す削減係数の裏づけでもありません。
・数値の出し方(何を成功とみなし、何を測っていないか)を先に決めてから測る、という進め方そのものを、 受託でも同じように行います。4週間のPoCで保証するのは、削減時間ではなく動作範囲・受入条件・測定方法です。
この診断が出す数値は見込みであり、保証ではありません。当社の受託でも、保証するのは動作範囲・受入条件・測定方法であり、 削減時間・売上増・誤りゼロ・完全無人運転は保証しません。

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